当教室は1921年北海道大学病院の始まりとともに開設され、以来100年を超える長い歴史を持つ外科教室です。 これまで、約600名以上の外科医を育成し道内外の地域医療に取り組むとともに最先端の医学研究を行い、国内有数の外科教室として外科臨床の発展に貢献してきました。 2011年秋、外科学講座の再編が行われ、第一外科は消化器外科学分野Ⅰと名称を変え、この再編と同時に私が第7代教授として就任させて頂きました。
消化器外科学教室Ⅰの診療は、主に消化管外科(大腸・肛門外科)、肝胆膵・臓器移植外科、小児外科の3つに分かれており、また、乳腺・内分泌外科とも協力した診療体制をしいております。大腸・肛門外科部門では内視鏡・ロボット手術に積極的に取り組み、最近の大腸切除症例のうち9割を超える症例は傷の小さな手術で行っています。さらに、肝転移を有するような進行大腸癌症例に対する集学的治療にも積極的に取り組んでおり、道内40以上の関連施設と連携して新しい治療法の開発をおこなっています。肝胆膵外科部門は道内を中心に他施設での切除困難例のご相談を受け、国内有数の肝切除数となっております。内視鏡手術・ロボット手術はもちろんのこと、開腹手術に関しても徹底した周術期管理により体に負担の少ない安全な手術を実現しております。臓器移植外科部門ではこれまで200例を超える生体肝移植と脳死肝移植を行っており、きわめて安定した術後成績を誇り、国内有数の肝移植施設として認知されています。小児外科部門では小児悪性腫瘍や先天異常などきわめてデリケートな外科対象疾患を小児外科専門医が診療しております。
患者様やご家族のニーズに細かく対応できるよう、最善の、そして最適の治療を選択し、それを実行する能力を身に付けることが外科医にとってもっとも求められる姿と考えます。そのためには自己研鑽を怠らず、一人一人の患者様に真摯に向き合う姿勢を忘れないことが重要です。そして、さらに重要なのはこの考え方をチームとして成熟させることにあります。外科医療は決して個人一人のちからで成り立つものではなく、チーム医療として実践していかなければなりません。そのためにも、個々の力量を最大限に高めるとともに、ひとつの目標に向かって協力し合い、力が発揮できるような成熟したチームを作り上げ、最善の外科医療を提供していきます。
また、大学の使命として医学教育にも力を注いでいます。医学部学生や若手医師の“やる気”に充分応えられる“やりがい”をいかにつくり出すことが出来るかを第一に考え、若手医師が満足できる教育・診療体制を構築しています。そのためには、既存の交流にとらわれない人事交流をはかり、数多くの活躍の場を与える必要があります。大学教室を中心として国内外の医療機関や研究機関と連携し、人材を交流し、次世代を託せる外科医を育成し、ともに成長していきたいと考えております。
診療紹介
北海道大学消化器外科学教室Ⅰでは、消化管外科(大腸・肛門外科)、肝胆膵・臓器移植外科、小児外科の3つの分野を担当しています。また、乳腺・内分泌外科とも協力した診療体制をしいています。消化器外科分野において最先端の治療を行うとともに、一人一人の患者様に真摯に向き合い、患者様やご家族のニーズに細かく対応し、最善・最適の治療を行うことをモットーとし、教室員が一丸となって診療に取り組んでいます。
研究紹介
北海道大学消化器外科学教室Ⅰでは、外科臨床の問題点や疑問に根差した臨床研究、基礎研究を積極的に行っています。年々進化する最先端の治療を取り入れ、開発していくためには、医師として、そして研究者としての発想や問題解決能力が必要とされます。若いうちに基礎研究を行い、問題解決能力を身に付けることは、外科医として成熟するためにとても重要な事です。一人でも多くの“Academic Surgeon”を育て、外科臨床の発展に貢献することが目標です。
「一期一会」の精神で臨床・研究・教育に臨んでいます。 手術の現場はもちろんのこと、患者様やご家族との対話、研究におけるひらめき、 医学生や若手医師との出会いなど、その一瞬一瞬を大切にしています。
所属学会
賞
学歴
職歴