初期研修終了後、日本外科学会専門医取得を目指す医師を対象とし、後期臨床研修プログラムとして3年間の修練期間を設けています。本プログラムでは、北海道大学消化器外科Ⅰに所属し、3年間の修練期間を前期1年、後期2年の2期に分けます。前期1年間では北海道大学病院にて研修、診療経験を重ね、後期2年では消化器外科Ⅰの外科後期研修参加関連病院において研修を行います。各修練医の症例経験数を確認し、受験資格の中で不足している症例があれば、それを経験できるように1年毎に修練施設の見直しを行い異動することを原則とします。卒後5年終了時に日本外科学会専門医取得を目標とします。
前期 1年の北大消化器外科Ⅰでの後期研修(Resident)は、「肝・胆・膵」、「消化管」、「小児外科」、「移植」の4グル-プ、および「乳腺外科」、「ICU」を月単位で希望を加味してローテーション致します。カンファレンスは毎朝、「術前・術後」、「リサーチ(研究)」、「院内消化器」、「Mortality & Morbidity」、「Journal Club」などが行われます。なお、週間スケジュールはこちらをご参照ください。
後期2年は原則として研修施設にある2ヵ所のA群の病院を1年ごとローテートして研修を継続します。A群の病院は消化器外科Ⅰの関連施設の中で年間の全麻手術件数が300例以上の施設で、外科指導医の下で多数の多岐にわたる症例を術者として経験することを目的とします。日本外科学会専門医を5年次に取得後、学位取得(医学博士)や、日本消化器外科学会、日本乳癌学会、日本小児外科学会、日本肝臓学会、日本消化器病学会、日本内視鏡外科学会、日本癌治療学会、日本大腸肛門病学会、日本癌治療学会等の各サブスペシャリティー領域の専門医を取得することを可能とする研修体制を構築し、各分野でのスペシャリスト育成を目標としています。
これらの研修システムとして研究専門医コース1、研究専門医コース2、臨床専門医コースの3コースを設け 大学院進学、研究、臨床などの選択が本人の希望に応じて可能としています。しかし、優れた外科医、スペシャリストになるために必要な論理的な思考を身に着けるために大学院に進学し、研究をすることを推奨しています。このような機会を提供できるのは大学での研修の長所であると思われます。また最先端の研究施設への国内・国外留学も可能です。
このプログラムは北大消化器外科Ⅰで後期研修を開始することを原則としています。 しかし北大消化器外科Ⅰの関連病院、および北大消化器外科Ⅰに関係なく一般病院にて後期研修の修練をしていてこのプログラムに途中から参加する場合でも、消化器外科Ⅰ・関連病院全体でプログラムを卒後12年まで組み立てているので、そのプログラムの中心となる北大消化器外科Ⅰでの臨床を研修することが望ましいと考えています。また、後期研修3年間のうち短期間(月単位)での研修、後期研修終了後の専門医育成期間への加入も可能です。カリキュラムの項目の到達度を半年に1回自己評価して、 指導医の評価や研修体制・カリキュラムの評価をあわせて、その後の研修・指導の参考とします。 また研修期間中に不足のない研修がスムーズに行われるように検討いたします。
各評価における達成目標を、研修期間内にどれほど達成できたかを5段階の到達レベルで研修医自ら評価します(3年次、4年次、5年次後期臨床研修カリキュラムと自己評価表提出)。研修期間終了時にはその期間の研修の成果、問題点、研修内容への希望を研修総括の欄に記入し、その年次の学会発表、論文発表も記載します。
研修医は、最終到達目標が該当年度までに達成できなかった時には次年度の研修において達成するように努力するが、それができなかったときには、さらに次年度で獲得できるように努力する。最終年度(5年次)でも達成できなかった時には、到達したところまでとその理由を、自己評価の欄あるいは研修期間の総括のところに記載する。研修の達成評価段階表
13年目以降は大学staff=助教、講師、准教授、あるいは関連病院の外科部長クラスで活躍し、 将来的には院長として重責を担うことになる場合もあります。