RESEARCH研究紹介

留学生便り

アメリカ

2019年~2020年柿坂 達彦

Beckman Research Institute of City of Hope (Monrovia, California)

2018年~2019年柿坂 達彦

Balylor Scott & White Research Iistitute (Dallas,Texas)

2013年~2018年大浦 哲

Massachusetts General Hospital, Surgery Transplant Center, Harvard Medical School (Boston,Massachusetts)

2012年~2014年川村 典生

Cleveland Clinic, Transplantation center (Cleveland, Ohio)

2010年~2013年内田 浩一郎

University of Miami,Jackson Memorial Medical Center (Miami,Florida)

ヨーロッパ

2015年~2019年藤好 真人

University Medical Center Groningen (Groningen,Netherlands)

2017年宮城 久之

Alder Hey Children’s Hospital University of Liverpool, (Liverpool, England)

2009年~2012年後藤 了一

2012年~2015年財津 雅昭

Nuffield Department of Surgical Science (NDS), University of Oxford(Oxford,England)

2010年~2013年高橋 徹

2013年~2016年渡辺 正明

Karolinska Institutet (Stockholm,Sweden)

2010年~2012年青柳 武史

Hospital Beaujon(Paris,France)

オセアニア

2015年~2018年川俣 太

(Queensland Institute of Medical Research, QIMR) Conjoint Gastroenterology (Brisbane,Queensland)

2016年~2017年本多 昌平

Department of Pathology, Otago University, NZ

南極大陸

2017年~2019年宮岡 陽一

南極昭和基地(国立極地研究所)

日本国内

2015年~2020年常俊 雄介

堺市立総合医療センター救命救急センター(大阪府)

2018年~2020年江本 慎

がん研有明病院(東京都)

2014年~2017年正司 裕隆

2017年~2019年坂本 譲

2019年~2021年吉田 祐一

国立国際医療研究センター 肝炎・免疫研究センター(千葉県)

2012年~2015年野口 慶太

2013年廣方 玄太郎

2015年~2019年今泉 健

国立がん研究センター 東病院(千葉県)

2011年~2013年湊 雅嗣

2013年~2015年宮城 久之

2017年~2019年近藤 亨史

2019年~2021年河北 一誠

神奈川県立こども医療センター(神奈川県)

2016年~2017年長津 明久

2017年~2018年大平 将史

九州大学(福岡県)

2015年~2018年柴崎 晋

藤田保健衛生大学(愛知県)

2010年~2013年大場 豪

東京都立小児総合医療センター(東京都)

木村鐘康

木村 鐘康

現在の留学先Massachusetts General Hospital

留学生活紹介

2015年8月より2年間のClinical Fellowとしてのトレーニングを終えたのち、米国Massachusetts General Hospitalで移植外科医として勤務しています。同病院はHarvard Medical Schoolの関連病院ですので、現在はDepartment of SurgeryのAssistant Professorとしてレジデントの指導も行っております。この度医局年報に投稿する機会をいただきましたので、昨年に引き続き近況報告をさせていただきます。当院の年間手術件数としては、肝移植が約80件(うち生体5-10件)、腎移植が約150件(うち生体約75件)、膵臓移植が5件程度です。Fellowの時はあくまで移植のトレーニングを受ける立場でしたが、現在はフェローやレジデントを指導する立場になりましたので、すべての臨床における決定権は自分にあり、その分大変な責任を伴います。MGHでは、現在移植外科医が6人体制で病棟、外来、手術を回しております。6人がほぼ均等に移植や病棟管理を行っていますが、やはり外科医により役割分担はあり、私の場合は肝移植寄りの役割で、生体肝移植のドナー手術という責任重大な役割を任されています。特に2018年には、韓国のASANmedical centerに2週間研修に行く機会をいただき、世界最先端の生体肝移植技術を学ぶことができ、非常に良い経験となりました。リサーチでは、Liver Xenotransplantを数年前より行っており、遺伝子操作した豚の肝臓をヒヒに移植する実験を行っています。まだまだ乗り越えるべき課題が多く試行錯誤中ですが、少しずつ結果が出始めていますので、10-20年後くらいにはヒトでの移植を目標にプロジェクトを進めています。また、最近サルを使ったアロ肝移植モデルで免疫寛容を誘導する研究のNIHグラントが通りましたので、ようやくPIとなり、自分のプロジェクトを開始できるようになりました。タイミング悪くコロナによりサルの確保が難しくなり、実験がなかなか進みませんが、落ち着けばどんどん研究を進めて、将来的にヒトでの実験に移していきたいと考えています。 日々多忙でストレスもありますが、日本ではなかなかできないような経験を多くさせていただいており、大変充実した生活を送らせていただいています。

今はコロナで日本もアメリカも大変な状況ですが、ボストンは観光にも非常にいい街ですので、もしコロナが落ち着き、学会や見学等で来られる機会がありましたら是非声をおかけください。また、若手の先生方で留学に興味のある方は短期でも長期でもいつでも受け付けておりますのでお気軽にご相談ください。最後にこのような留学の機会を与えて下さりました武冨教授、同門の先生方にこの場を借りて心からお礼申し上げます。

2017-20年の業績

論文

  1. Hepatectomy for Solitary Hepatocellular Carcinoma: Resection Margin Width Does Not Predict Survival. Michelakos T, Kontos F, Sekigami Y, Qadan M, Cai L, Catalano O, Deshpande V, Patel MS, Yamada T, Elias N, Dageforde LA, Kimura S, Kawai T, Tanabe KK, Markmann JF, Yeh H, Ferrone CR. J Gastrointest Surg. 2021 Jul;25(7):1727-1735. doi: 10.1007/s11605-020-04765-6. Epub 2020 Aug 10.
  2. Donor plasmacytoid dendritic cells modulate effector and regulatory T cell responses in mouse spontaneous liver transplant tolerance. Nakano R, Yoshida O, Kimura S, Nakao T, Yokota S, Ono Y, Minervini MI, Geller DA, Thomson AW. Am J Transplant. 2021 Jun;21(6):2040-2055. doi: 10.1111/ajt.16412. Epub 2021 Jan 4.
  3. Immediate administration of antiviral therapy after transplantation of hepatitis C-infected livers into uninfected recipients: Implications for therapeutic planning. Bethea E, Arvind A, Gustafson J, Andersson K, Pratt D, Bhan I, Thiim M, Corey K, Bloom P, Markmann J, Yeh H, Elias N, Kimura S, Dageforde LA, Cuenca A, Kawai T, Safa K, Williams W, Gilligan H, Sise M, Fishman J, Kotton C, Kim A, Rogers CC, Shao S, Cote M, Irwin L, Myoung P, Chung RT. Am J Transplant. 2020 Jun;20(6):1619-1628. doi: 10.1111/ajt.15768. Epub 2020 Feb 3.
  4. Regulatory B cells require antigen recognition for effective allograft tolerance induction. Kimura S, Rickert CG, Kojima L, Aburawi M, Tanimine N, Fontan F, Deng K, Tector H, Mi Lee K, Yeh H, Markmann JF. Am J Transplant. 2020 Apr;20(4):977-987. doi: 10.1111/ajt.15739. Epub 2019 Dec 27.
  5. Charting the Path Forward for Risk Prediction in Liver Transplant for Hepatocellular Carcinoma: International Validation of HALTHCC Among 4,089 Patients. Firl DJ, Sasaki K, Agopian VG, Gorgen A, Kimura S, Dumronggittigule W, McVey JC, Iesari S, Mennini G, Vitale A, Finkenstedt A, Onali S, Hoppe-Lotichius M, Vennarecci G, Manzia TM, Nicolini D, Avolio AW, Agnes S, Vivarelli M, Tisone G, Ettorre GM, Otto G, Tsochatzis E, Rossi M, Viveiros A, Cillo U, Markmann JF, Ikegami T, Kaido T, Lai Q, Sapisochin G, Lerut J; European Hepatocellular Cancer Liver Transplant Study Group, Aucejo FN. Hepatology. 2020 Feb;71(2):569-582. doi: 10.1002/hep.30838. Epub 2019 Aug 19.
  6. Reframing the approach to patients with hepatocellular carcinoma: Longitudinal assessment with hazard associated with liver transplantation for HCC (HALTHCC) improves ablate and wait strategy. Firl DJ, Kimura S, McVey J, Hashimoto K, Yeh H, Miller CM, Markmann JF, Sasaki K, Aucejo FN. Hepatology. 2018 Oct;68(4):1448-1458. doi: 10.1002/hep.29907.

学会発表

  1. Importance of B cell antigen specificity in Breg dependent tolerance. Kimura S, Kojima L, Aburawi M, Fontan F, Kim J, Deng K, Tector H, Lee K, Yeh H and Markmann J. American Transplant Congress 2017 at Chicago USA (Oral presentation)
村田竜平

村田 竜平

現在の留学先京都大学 iPS細胞研究所(CiRA)長船研究室

留学生活紹介

2020年4月より京都大学iPS細胞研究所で研究をさせて頂いております、村田竜平と申します。以前より再生医療研究に興味があり、大学院入学に際して武冨教授のご厚意で赴任させて頂きました。研究所は京都大学附属病院と鴨川の間に位置しており、3つの研究棟から構成されています。春は鴨川沿いの桜並木がとても綺麗で、他の季節も情緒の溢れる景観です。研究所内には御高名な研究者や海外からの研究者も多く在籍しておりますが、私の所属する研究室は全員が日本人です。同僚の研究員も、直属の外科の先生を含めてフレンドリーな方ばかりであり、とても良い環境だと思います。研究室では肝臓・腎臓・膵臓の再生治療に関する研究をしており、肝臓以外の分野も知る機会があり大変勉強になります。ベンチャー企業があったり、複数の製薬会社や大学とも共同研究を実施しており、多くの協力を得て研究をしております。今年はコロナウィルス感染症の流行により5月末まで研究所への出入りが禁止となり、その後も制限時間を設けての研究活動となったため、スタートが大きく遅れました。研究テーマが決定して7月から本格的に研究を開始しましたが、最初はiPS細胞の維持培養と肝細胞・胆管細胞への分化誘導方法を習得することから始まりました。既存の方法ではiPS細胞から誘導した肝細胞を準備するには約3週間を要するため時間がかかるため、その先の実験予定を立てながら失敗しない様に準備するのが大変です。手術漬けの生活から一変して慣れないことばかりですが、好奇心が満たされることを楽しんでいます。京都は寒暖差が激しく、昨年は釧路に居たので夏の猛暑は特に厳しく感じましたが、初冬の現在はとても寒いです。大変な社会情勢が続きますが、早く感染が収束して自由に往来できるようになることを願っています。

2019-20年の業績

論文

  1. Retrieval strategy for ruptured balloon with circumferential tear during angioplasty for arteriovenous fistula in hemodialysis patients. Murata R, Kamiizumi Y, Haneda T, Ishizuka C, Kashiwakura S, Tsuji T, Kasai H, Tani Y, Inagaki N, Chiba S, Ito K. J Vasc Access. 2020 Mar;21(2):246-250. doi: 10.1177/1129729819870634. Epub 2019 Aug 22.
  2. Upside Down Stomachを呈した食道裂孔ヘルニアの1例 村田 竜平, 小林 展大, 渡辺 義人, 越前谷 勇人 日本外科系連合学会誌 (0385-7883)44巻2号 Page203-208(2019.04)

学会発表

  1. 村田竜平、山本葉一、海老沼翔太、石黒友唯、石川隆壽、小林清二、小笠原和宏、高橋弘昌:当院における直腸脱に対する腹腔鏡下直腸固定術の経験 第116回日本臨床外科学会北海道支部例会、札幌 2019/9/21-22.
佐野修平

佐野 修平

現在の留学先がん研有明病院 大腸外科

留学生活紹介

2020年4月から、がん研有明病院大腸外科に国内留学させていただいております。前任の江本先生に引き継がせていただく形で、レジデントとして勤務しています。がん研有明病院の大腸癌手術は年間約750例ほどの症例があり、大腸外科はスタッフ7人、レジデント11人で成り立っています。今年は新型コロナの影響で、少し症例が減っていますが、それでも多くのエキスパートによる手術を勉強することができます。腹腔鏡下骨盤内臓全摘や、TaTME、ダヴィンチ手術など、なかなか経験できない症例も数多く経験することができます。当初はお作法から学びましたが、なかなか慣れないところは苦労しました。週2回の術前プレゼンも毎回有名な先生方の前でやるので、ある意味学会より緊張します。一部リモートカンファも導入していますが、えらい先生の顔がアップになるのでかえって緊張します。半年ほど経ったところで、業務もだんだん慣れてきて、執刀もあてていただくようにもなり、充実した日々を過ごさせていただいております。レジデントの同期は7人いますが、日本全国から集まってきており、とても刺激になるとともに、心の支えにもなっております。自主的にビデオ勉強会を開催したりと、同期間でも経験したことや知識を共有することでお互いにスキルアップしていくことが大切であると考えています。新型コロナの影響で、現在は会食も4人までと制限されており、せっかくの東京生活もなかなか外出する機会がないのが残念です。休日は当番制なので、比較的自由な時間もつくることができますが、近くのディズニーランドも現在予約制です。(1回だけ行きました。)がん研有明病院はそんなコロナ禍の中で、「がん診療の最後の砦」として、他院で治療できなくなったがん患者の受け入れを率先してやってきました。ゴールデンウィークも一部返上して、手術を行っておりました。なかなか辛い時期ではありますが、逆に今までにない状況でのがん診療を経験していると感じながら頑張りたいと思います。少なくとも、あと1年以上勉強させていただく予定です。自分ができる限りの技術や知識を身に着けて、北大消化器外科Ⅰの後輩の先生方に還元できるように精進したいと思います。臨床での国内留学に興味がある方はぜひご連絡ください。この度は貴重な経験をさせていただき、武冨教授をはじめ、医局の先生方に感謝を申し上げます。

2019-20年の業績

論文

  1. 佐野修平,山田 健司,腰塚 靖之,西越 崇博,志智 俊介,芝木 泰一郎,柳田 尚之,池上 淳,稲垣 光裕,赤羽 弘充:馬蹄腎を伴う直腸S状部癌に対して腹腔鏡下高位前方切除術を施行した1例,北海道外科雑誌,2020.06,65,51-54,
豊島雄二郎

豊島 雄二郎

現在の留学先公益財団法人 がん研究会 がんプレシジョン医療研究センター 免疫ゲノム解析グループ

留学生活紹介

 同門会の皆様。2008年卒業の豊島雄二郎と申します。2020年4月より東京都江東区有明にありますがん研究会 がんプレシジョン医療研究センターにて博士研究員として勤務しております。がん研究会の研究本部はがん研有明病院と扉一つ隔てて隣接しており、がん研究所、がん化学療法センター、がんプレシジョン医療研究センターからなり、私が所属しているのは中村祐輔先生の研究室で、ゲノム解析やT細胞受容体解析などの技術を利用して、免疫システムの理解を深めると共に、がん特異的ワクチン(ネオアンチゲン)療法やネオアンチゲン特異的T細胞療法研究などの新しい治療法開発にも取り組んでおります。ラボのメンバーはブラジル、マレーシア、オーストラリア、中国など多国籍で、ラボミーティングは英語で行われており、大変刺激的な環境であります。私は4月から新型コロナウイルスの研究に携わらせて頂いております。日本人に頻度の高いHLA分子に抗原として提示される可能性のある新型コロナウイルスのペプチドをコンピューターによって予測し、現在は健常人の末梢血単核細胞(PBMCs)から新型コロナウイルスペプチド特異的な細胞傷害性T細胞を誘導し、免疫原性を示すエピトープペプチドを探索しております。最終的に日本人のHLAアレルの頻度を考慮し、より多くの人口をカバーできるペプチドワクチンの開発を目指しております。 こちらに着任早々緊急事態宣言が発令され、2か月間みっちりと育児・料理修行に励みました。最近はこのコロナ禍でのテレワーク推進の影響かそこまでひどい満員電車に悩むことなく毎日の通勤にも慣れてきました。来年はすっかり腕が鈍ってしまった料理に再挑戦しようと思います。最後になりますが、このような留学の機会を与えて下さりました武冨紹信教授、同門の先生方にこの場を借りて心からお礼申し上げます。

2019-20年の業績

論文

  1. 清谷 一馬,豊島 雄二郎:ネオ抗原を標的とした新規T細胞療法の開発,Precision Medicine,2020.12,3(14),1299-1302,
  2. IL6 Modulates the Immune Status of the Tumor Microenvironment to Facilitate Metastatic Colonization of Colorectal Cancer Cells. Toyoshima Y, Kitamura H, Xiang H, Ohno Y, Homma S, Kawamura H, Takahashi N, Kamiyama T, Tanino M, Taketomi A. Cancer Immunol Res. 2019 Dec;7(12):1944-1957. doi: 10.1158/2326-6066.CIR-18-0766. Epub 2019 Sep 25.
  3. Bioinformatic prediction of potential T cell epitopes for SARS-Cov-2. Kiyotani K, Toyoshima Y, Nemoto K, Nakamura Y. J Hum Genet. 2020 Jul;65(7):569-575. doi: 10.1038/s10038-020-0771-5. Epub 2020 May 6.
  4. SARS-CoV-2 genomic variations associated with mortality rate of COVID-19.Toyoshima Y, Nemoto K, Matsumoto S, Nakamura Y, Kiyotani K. J Hum Genet. 2020 Dec;65(12):1075-1082. doi: 10.1038/s10038-020-0808-9. Epub 2020 Jul 22.