RESEARCH研究紹介

留学生便り

アメリカ

2013年~2018年大浦 哲

Massachusetts General Hospital, Surgery
Transplant Center, Harvard Medical School
(Boston,Massachusetts)

2012年~2014年川村 典生

Massachusetts General
Hospital(Boston,
Massachusetts)

2010年~2013年内田 浩一郎

University of Miami,Jackson Memorial Medical Center
(Miami,Florida)

ヨーロッパ

2017年宮城 久之

Alder Hey Children’s Hospital University of Liverpool,
(Liverpool, England)

2009年~2012年後藤 了一

2012年~2015財津 雅昭

Nuffield Department of Surgical Science (NDS), University of Oxford(Oxford,England)

2010年~2013年高橋 徹

2013年~2016年渡辺 正明

Karolinska Institutet
(Stockholm,Sweden)

2010年~2012年青柳 武史

Hospital Beaujon(Paris,France)

オセアニア

2015年~2018年川俣 太

(Queensland Institute of Medical Research, QIMR) Conjoint
Gastroenterology
(Brisbane,Queensland)

2016年~2017年本多 昌平

Department of Pathology, Otago University, NZ

南極大陸

日本国内

2010~2013年大場 豪

東京都立小児総合医療センター(東京都)

2014年~2017年正司 裕隆

国立国際医療研究センター 肝炎・免疫研究センター(千葉県)

2012~2015年野口 慶太

2013年廣方 玄太郎

国立がん研究センター 東病院(千葉県)

2011~2013年湊 雅嗣

2013年~2015年宮城 久之

神奈川県立こども医療センター(神奈川県)

2015年~2018年柴崎 晋

藤田保健衛生大学(愛知県)

2016年長津 明久

2017年~2018年大平 将史

九州大学(福岡県)

木村鐘康

木村 鐘康

現在の留学先Massachusetts General Hospital

留学生活紹介

2017年9月より米国Massachusetts General Hospitalで移植外科医として勤務しています。
この度医局年報に投稿する機会をいただきましたので、昨年に引き続き近況報告をさせていただきます。
2015年より同病院にて2年間のClinical Fellowとしてのトレーニングを終え、そのままスタッフとして残りはや1年以上が過ぎました。当院の年間手術件数としては、肝移植が約80件(うち生体5-10件)、腎移植が約150件(うち生体約75件)、膵臓移植が5件程度です。Fellowの時はあくまで移植のトレーニングを受ける立場でしたが、現在はフェローやレジデントを指導する立場になりましたので、すべての臨床における決定権は自分にあり、その分大変な責任を伴います。
MGHでは、プログラムの増大に伴い、本年度より一人外科医を雇い、現在移植外科医が6人体制で病棟、外来、手術を回しております。昨年度との違いは、自分が一番下の外科医ではなくなったので、少し負担が減りリサーチにも余分に時間を充てることができています。6人がほぼ均等に移植や病棟管理を行っていますが、やはり外科医により役割分担はあり、私の場合は肝移植寄りの役割で、生体肝移植のドナー手術という責任重大な役割を任されています。特に2018年には、韓国のASAN medical centerに2週間研修に行く機会をいただき、世界最先端の生体肝移植技術を学ぶことができ、非常に良い経験となりました。
リサーチでは、Liver Xenotransplantが本格的に始まり、遺伝子操作した豚の肝臓をヒヒに移植する実験を行っています。まだまだ始まったばかりで試行錯誤中ですが、なかなか面白い結果が出そうで今のところ順調に進んでいます。現在は遺伝子操作豚を作成する企業とのコラボレーションですが、将来的には自分でグラントを取ってラボを持ち、第一外科の後輩の留学受け入れ先となれればいいなと考えております。
日々多忙でストレスもありますが、日本ではなかなかできないような経験を多くさせていただいており、大変充実した生活を送らせていただいています。

ボストンは観光にも非常にいい街ですので、もし学会や見学等で来られる機会がありましたら是非声をおかけください。
また、若手の先生方で留学に興味のある方は短期でも長期でもいつでも受け付けておりますのでお気軽にご相談ください。
最後にこのような留学の機会を与えて下さりました武冨教授、同門の先生方にこの場を借りて心からお礼申し上げます。

2017-18年の業績

論文

  1. Reframing the approach to patients with hepatocellular carcinoma: Longitudinal assessment with hazard associated with liver transplantation for HCC (HALTHCC) improves ablate and wait strategy. Firl DJ, Kimura S, McVey J, Hashimoto K, Yeh H, Miller CM, Markmann JF, Sasaki K, Aucejo FN. Hepatology. 2018 Oct;68(4):1448-1458. doi: 10.1002/hep.29907.
  2. Orthotopic mouse liver transplantation to study liver biology and allograft tolerance. Yokota S, Ueki S, Ono Y, Kasahara N, Pérez-Gutiérrez A, Kimura S, Yoshida O, Murase N, Yasuda Y, Geller DA, Thomson AW. Nat Protoc. 2016 Jul;11(7):1163-74. doi: 10.1038/nprot.2016.073.
  3. Contribution of alloantigens to hepatic ischemia/reperfusion injury: Roles of natural killer cells and innate immune recognition of nonself. Kimura S, Ozaki KS, Ueki S, Zhang M, Yokota S, Stolz DB, Geller DA, Murase N. Liver Transpl. 2016 Jan;22(1):80-90. doi: 10.1002/lt.24330.

学会発表

  1. Importance of B cell antigen specificity in Breg dependent tolerance. Kimura S, Kojima L, Aburawi M, Fontan F, Kim J, Deng K, Tector H, Lee K, Yeh H and Markmann J. American Transplant Congress 2017 at Chicago USA (Oral presentation)
柿坂達彦

柿坂 達彦

現在の留学先Balylor Scott & White Research Iistitute, Dallas, USA

留学生活紹介

同門会の皆様、1999年卒業の柿坂達彦と申します。2018年4月より、米国、ダラスにありますBalylor Scott & White Research IistituteでVisiting Research Collaboratorとして勤務しております。年齢が40台半ばに近づき、札幌厚生病院で肝細胞癌の肝切除術を中心とした癌治療に没頭しておりました時、武冨教授と当時の医局長の本間先生より突然、米国研究留学のお話を頂きました。大学院生で研究をしていた時期から大分時間がたっていることや、正直なところ自分が研究向きではなかった点、さらに現在の年齢を考え、はじめは留学をためらっておりました。しかし、1度きりの人生、新たな境遇に飛び込んでみるのも自分の成長につながると信じ、同期の青柳先生が、留学するのに年齢は関係ないと言ってくれたのも後押しとなり、今回ありがたく留学のお話を承諾させていただきました。家族も一緒の渡米を前向きに考えてもらうことができました。
勤務先は米国の北部テキサスを中心に展開している医療機関のBaylor Scott & White Healthに属しておりますBaylor Scott & White Research Instituteです。Professor Ajay Goelの研究室で、主に消化器癌のtranslational researchを行っております。当研究室は全世界の数多くの施設とコラボレーションすることで、大腸癌、胃癌、食道癌、膵癌を主とした組織、血清、FFPEといった臨床検体を収集しております。その臨床検体を利用して、早期診断、予後予測、薬剤感受性など臨床での問題点に直結するようなプロジェクトを進めております。今回、消化器外科学教室Iの貴重な財産であるTissue bankから、肝細胞癌の検体をこちらの研究室に送付していただきました。今後、早期再発、薬剤感受性といった肝細胞癌分野のプロジェクトも展開していく予定です。私の他に、熊本大学、三重大学、九州大学、奈良医科大学からの日本人の研究者がおり、協力しながら研究を続けております。
ダラスですが、夏は40度を超える暑さで、冬は氷点下になることもあり、気温の変動が激しい地域です。私たち家族はダウンタウンからは車で30分ほど離れた田舎に住んでおります。経済都市であるダラスに観光する場所は少ないのですが、4大プロスポーツがそろっており、Texas Rangersの試合は比較的安価であるため、大谷選手、イチロー選手が出場する試合を観戦することができました。今年はDallas Cowboysのプレーオフの試合を興奮しながらテレビで観戦しております。Dallas/Fort Worth国際空港から全米各都市への移動が便利で、日本への直行便もあります。トヨタアメリカ本社がダラス近郊に移転したことで日本人も増加してきており、日系スーパーもあるので過ごしやすい土地です。息子は現地校に通っており、適応できるか不安でしたが、今は楽しく過ごしております。本場のハロウィンやクリスマスも経験できました。連休に旅行をすることを目標にしながら家族で頑張っております。
末筆ながら、このような留学の機会を与えて下さった武冨紹信教授、臨床検体の送付にご尽力いただいた深井原先生、消化器外科学教室Ⅰの先生方、同門の先生方に厚く御礼申し上げます。

藤好真人

藤好 真人

現在の留学先Universitair Medisch Centrum Groningen

留学生活紹介

平成15年度入局の藤好真人と申します。私の科学的興味は臓器移植における体外機械灌流法であり、このテクノロジーの臨床応用を学ぶため2015年より3年間オランダのフローニンゲンにありますuniversity medical center Groningen(UMCG)に留学させて頂きました。私がUMCGへの留学を決めた当時は肝臓移植における機械灌流法の臨床研究を行なっている施設は4施設のみであり、UMCGの研究チームに合流したのはちょうど冷温機械灌流法のパイロットスタディーが終了し、心停止後ドナー(DCD)グラフトに対するRCTを開始する時期でした。それ以降、肝胆膵・移植外科での臨床フェローシップと2つの機械灌流法の臨床治験を通して機械灌流法の臨床応用を総合的に学ぶことができました。
機械灌流法には様々なバリエーションがありますが、最も重要な因子は灌流温度であり冷温機械灌流と常温機械灌流では期待される治療効果が大きく異なります。冷温酸素化機械灌流(hypothermic oxygenated machine perfusion, HOPE)では、低代謝状態で組織の再酸素化を行うことにより代謝基質のリバランスとATPのリチャージを図り虚血再灌流傷害(IRI)を軽減することを目的としており、私達はDCDグラフトに対し、移植後グラフト不全および虚血性胆管傷害(non-anastomotic biliary stricture, NAS)のリスク軽減を目的として門脈および肝動脈の灌流を行うdual HOPE法のRCTを行いました。
さらに、酸素担体含有灌流液により十分な酸素送達を行うことにより体外でグラフトを37℃まで復温する常温機械灌流(normothermic machine perfusion, NMP)が可能です。NMP下のグラフトでは肝細胞における代謝機能と胆汁産生および胆管上皮機能が正常化しており、それらを評価することによりグラフトのバイアビリティーテストを行うことができます。私達は高齢DCDや脂肪肝DCDなどの超ハイリスクグラフトでオランダ国内の全移植施設で受け入れを辞退されたグラフトにNMPによるテストを行い、条件をクリアしたグラフトの移植を行い良好な成績を得ました。
現在、機械灌流は急速な発展を見せており多くの施設が取り組みを始めていますが、その臨床研究におけるトップランナーであるUMCGにおいて黎明期から現在までの研究に参加できたことは幸運であり、大きな財産となりました。
この留学をサポートしてくださいました、武冨教授をはじめ教室の皆様、IHPBAおよびILTSに感謝いたします。

2017-18年の業績

論文

  1. Opposite acute potassium and sodium shifts during transplantation of hypothermic machine perfused donor livers. Burlage LC, Hessels L, van Rijn R, Matton APM, Fujiyoshi M, van den Berg AP, Reyntjens K, Meyer P, de Boer MT, de Kleine RHJ, Nijsten MW, Porte RJ. Am J Transplant. 2018 Nov 9. doi: 10.1111/ajt.15173. [Epub ahead of print] PMID: 30411502
  2. Ex situ machine perfusion strategies in liver transplantation. de Meijer VE, Fujiyoshi M, Porte RJ. J Hepatol. 2018 Nov 5. pii: S0168-8278(18)32436-X. doi: 10.1016/j.jhep.2018.09.019. [Epub ahead of print] No abstract available. PMID: 30409464
  3. Biliary Bicarbonate, pH and Glucose Are Suitable Biomarkers of Biliary Viability During Ex Situ Normothermic Machine Perfusion of Human Donor Livers. Matton APM, de Vries Y, Burlage LC, van Rijn R, Fujiyoshi M, de Meijer VE, de Boer MT, de Kleine RHJ, Verkade HJ, Gouw ASH, Lisman T, Porte RJ. Transplantation. 2018 Nov 1. doi: 10.1097/TP.0000000000002500. [Epub ahead of print] PMID: 30395120
  4. Ex situ normothermic machine perfusion of donor livers using a haemoglobin-based oxygen carrier: a viable alternative to red blood cells. de Vries Y, van Leeuwen OB, Matton APM, Fujiyoshi M, de Meijer VE, Porte RJ. Transpl Int. 2018 Nov;31(11):1281-1282. doi: 10.1111/tri.13320. Epub 2018 Aug 13. No abstract available. PMID: 30055059
  5. Post-reperfusion hydrogen gas treatment ameliorates ischemia reperfusion injury in rat livers from donors after cardiac death: a preliminary study. Ishikawa T, Shimada S, Fukai M, Kimura T, Umemoto K, Shibata K, Fujiyoshi M, Fujiyoshi S, Hayasaka T, Kawamura N, Kobayashi N, Shimamura T, Taketomi A. Surg Today. 2018 Dec;48(12):1081-1088. doi: 10.1007/s00595-018-1693-0. Epub 2018 Jul 6. PMID: 29980846

学会発表

  1. Technique of mouse liver transplantation for machine perfusion research. Fujiyoshi M. 13th IHPBA World Congress, 4 – 7 September 2018, Geneva, Switzerland.
宮岡陽一

宮岡 陽一

現在の留学先南極昭和基地(国立極地研究所)

留学生活紹介

2017年7月より東京都立川市にあります国立極地研究所に勤務し、第59次南極地域観測隊越冬隊員の一員として同年11月から長年の夢でありました南極の昭和基地で生活しております。第一外科としては、恩師でもある高木先生・米山先生(各々2年)に続き3人目の南極越冬経験者です。
日本の昭和基地は、南極大陸から直線距離で約4km離れた東オングル(ノルウェー語で釣り針)島に位置しています。新千歳空港の半分に満たない小さな島です。夏時期以外は海氷で大陸とつながっており、車両にて大陸へ渡る事が出来ます。ただ、第2次世界大戦後の敗戦国という状態で場所が決められたため、南極の中でも辺鄙で到達が困難な地点で隣の基地までは数百キロ以上離れています。その為、船が一度離れてしまうと一年間は氷に閉ざされてしまい、他からの補給や人的交流が一切無くなります。そのような場所で観測隊員32名(日本人のみ)の健康管理を担っています。医師は2名おりますが、歯科医師やコメディカルはおりませんので、出国前の医薬品発注・基地医務室における器具滅菌・採血検査・レントゲン撮影等全て自分で行っています。出発前に全員健康判定を行い、身体・精神的に健康な隊員しかおりませんので医療行為をする事は殆どなく、3か月に一度の採血検査・血圧測定といったチェックのみで、普段は雪上車やショベルカーを運転したり、様々な観測のお手伝いをしたりしています。
業務以外ではオーロラ鑑賞をしたり、氷山で流しそうめんをしたりと日本では出来ない経験をしております。以前は、電報や無線のみしか外部との交信は出来なかったようですが、最近は衛星を経由した常時接続ネット回線が整備されており、mailやネットサーフィンが可能になっています。全体で4Mbpsの速度しかなく、もちろん観測データ交信が優先で、残った少ない帯域を32人で割って細々使用する日々です。
日本への帰国は2019年3月末(船での移動約50日)で、南極生活も残り少なくなってきましたが全隊員無事戻れるよう頑張る所存です。
最後になりましたが快く送り出してくださった武冨教授をはじめ、北海道大学消化器外科Iの皆様に厚く感謝申し上げます。

2018年の業績

論文

  1. Extreme environment effects on human health in high altitude in Antarctica Shinji Otani (otanis@alrc.tottori-u.ac.jp), Yoichi Miyaoka, Giichiro Ohno, Kentaro Watanebe(SCAR;Poster presentation)
江本慎

江本 慎

現在の留学先がん研有明病院 消化器外科 大腸グループ

留学生活紹介

2018年度よりがん研有明病院消化器外科大腸グループ(大腸外科)に国内留学させていただいています。大腸外科は年間1000例以上の全身麻酔の手術を行い、癌の手術だけで年間700例を執り行っています。医師は、スタッフ8名、大腸外科レジデント11名が所属し、一人のスタッフが行う大腸癌手術の件数は北海道の中核病院に匹敵します。手術症例はESDの追加切除から、局所進行直腸癌・前治療後の骨盤内蔵全摘および側方郭清、腹腔内と会陰から2チームで腹腔鏡手術を行うTransanal Total Mesorectal Excision (TaTME)まで幅広く、脂肪肉腫などの特殊な手術を経験することもできます。
レジデントは、私と同様に医局から国内留学として来ている医師と、自分でapplyして来ている医師が半々くらいで、8年~10年目の医師が最も多く所属しています。私は医師13年目ですが、同じ世代のレジデントもいるため、勉強をするのに年齢や医師年数は関係ないことを実感しました。
レジデントの仕事はほぼ病棟と手術のみで、外来のことを考えずにひたすら手術の勉強ができます。もちろん治療方針として放射線化学療法や側方郭清の適応、臨床試験の適応基準などは学ぶ必要があります。胃、食道、肝胆膵チームを交えた術前症例検討会が週2回あり、自分の受け持ち患者を30秒~1分程度、英語でプレゼンテーションします。厳しい質問が飛ぶこともあり、患者の把握だけではなく、座学(と少しの英語の勉強)が必要になります。私は入職当初、毎日始発で出勤し、終電で帰宅することが多かったのですが、働き方改革のあおりで(?)最近、改善がみられています。
国内留学は2年間の予定ですが、手術だけではなく、学会発表や論文執筆などにも注力していきたいと思います。

2018年の業績

書籍

  1. 江本 慎、福長 洋介.結腸切除後の器械による端々三角吻合.北島 政樹 監修,他編集.消化管吻合法バイブル.東京:医学書院;2018;104-108.

学会発表

  1. 江本 慎、佐野 修平、坂本 沙織、石川 倫啓、河合 朋昭、小林 清二、小笠原 和宏:鼠径部ヘルニア嵌頓に対する腹腔鏡手術の治療成績.第16回日本ヘルニア学会総会,札幌,2018年6月29日~30日.
  2. 江本 慎、長嵜 寿矢、南 宏典、富永哲郎、秋吉 高志、小西 毅、藤本 佳也、長山 聡、福長 洋介、上野 雅資.子宮頸癌骨盤内リンパ節郭清後の露出脈管による絞扼性腸閉塞に対し腹腔鏡下に整復しえた1例.第31回日本内視鏡外科学会総会,福岡,2018年12月6日~8日.
坂本譲

坂本 譲

現在の留学先国立国際医療研究センター・肝炎免疫研究センター・肝疾患研究部

留学生活紹介

平成22年卒業の坂本譲です。私は昨年に引き続き、千葉県市川市にある国立国際医療研究センター・肝炎免疫研究センター・肝疾患研究部で研究に従事させていただいております。平成29年4月よりこちらに赴任し、はや1年半が経ちました。
私の研究内容は、赴任当初から継続しております「非アルコール性脂肪性肝炎(NASH/NAFLD)における、肝発がん・線維化過程での免疫機構の解明」です。その中でも特に、各免疫細胞に発現する機能調整因子であるSiglecという分子の肝病態進展における意義を検討しております。現在のところ、可溶性Siglec-7が肝線維化進展における新規バイオマーカーの可能性があるところまで進めて参りましたが、その詳細な機序やマクロファージの炎症との関連などを探索しているところです。また、Siglec研究と並行して、肝内免疫における肝浸潤リンパ球の役割や重要性についても検討を始めております。こちらに関しては、共同研究施設であるがん研有明病院肝胆膵外科でのHCC切除検体を用いて、癌部/非癌部それぞれの肝浸潤リンパ球を抽出し様々な免疫細胞の分布・機能の違いなどを探索することで、HCCの癌微小環境における免疫病態を解明したいと考えております。昨年は実験手技や研究手法を一から学ぶことに多くの時間を費やしましたが、ようやく最近では自分なりの実験の進め方や方向性などを考えられるようになってきた気がします。とは言いましても、基礎知識も思考力もまだまだですので、当研究室の先生方にしっかりと教わり少しでも多くのことを学んでいきたいと思います。私事ですが、今年の1月から家族も皆千葉に来たので、研究・外勤・家庭のことと慌ただしい毎日を過ごしております。毎朝息子を幼稚園に送りがてらラボに向かうのが日課となり、忙しさのなかにも息子たちの成長を間近でみることが出来る嬉しさを感じております。またラボにも、切磋琢磨できる同期の大学院生たちがおり、時にはそれぞれの結果を知って焦り合いながら互いに良い刺激を受けつつ研究しております。研究を始めて1年半が経過しましたので、ここからは論文化を中心とした最終的な結果を見据えながらしっかりと着実に研究を進めて参ります。
最後になりましたが、このような素晴らしい環境で研究をさせていただく機会を与えて下さった武冨紹信教授、北大消化器外科学教室Ⅰの先生方、同門の先生方、また西川口でお世話になっております齋藤記念病院・斎藤卓先生に心より感謝申し上げます。今後とも、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

2017-18年の業績

国内学会発表

  1. 坂本 譲、本間 重紀、市川 伸樹、大野 陽介、吉田 雅、川村 秀樹、武冨 紹信:門脈欠損症を有する上行結腸癌症例に対する腹腔鏡下右半結腸切除の1例.第106回北海道外科学会,札幌,2017.2.4
  2. 坂本 譲、神山 俊哉、横尾 英樹、武冨 紹信:当院における透析患者の肝細胞癌に対する肝切除術後の成績. 第62回日本透析医学会学術集会・総会(シンポジウム20「透析患者の癌治療最前線」), 横浜, 2017.6.16-18
  3. 坂本 譲、神山 俊哉、阪田 敏聖、島田 慎吾、永生 高広、若山 顕治、折茂 達也、横尾 英樹、蒲池 浩文、中 智昭、三橋 智子、武冨 紹信:まれなG-CSF産生肝細胞癌の1例. 第53回日本肝癌研究会, 東京, 2017.7.7
  4. 坂本 譲、神山 俊哉、阪田 敏聖、島田 慎吾、永生 高広、若山 顕治、折茂 達也、横尾 英樹、蒲池 浩文、中 智昭、三橋 智子、武冨 紹信:まれなG-CSF産生肝細胞癌の1例. JDDW2017 FUKUOKA 第25回日本消化器関連学会週間, 福岡, 2017.10.12-15
  5. 坂本 譲、笠島 浩行、大野 陽介、澤野 武行、植木 伸也、佐藤 利行、久留島 徹大、砂原 正男、鈴木 伸作、木村 純:腹腔鏡下に診断・修復し得た両側Spigelian Herniaの1例. 第79回日本臨床外科学会総会, 東京, 2017.11.23-25
  6. 坂本 譲、本間 重紀、市川 伸樹、大野 陽介、吉田 雅、川村 秀樹、武冨 紹信:門脈本幹欠損を有する上行結腸癌に対して腹腔鏡補助下右半結腸切除を施行した1例. 第30回日本内視鏡外科学会総会, 京都, 2017.12.7-9
  7. 坂本 譲、土肥 弘義、河合 裕成、島垣 智成、青木 孝彦、由雄 祥代、大澤 陽介、武冨 紹信、考藤 達哉:抑制型受容体Siglecファミリーの網羅的解析-慢性肝疾患におけるNK細胞発現Siglec-7, -9の意義. 第54回日本肝臓学会総会, 大阪, 2018.6.14-15
  8. 坂本 譲、土肥 弘義、河合 裕成、島垣 智成、青木 孝彦、由雄 祥代、大澤 陽介、考藤 達哉:肝硬変, 肝癌の病態におけるNK細胞機能性分子Siglec-7の意義. JDDW2017 KOBE 第26回日本消化器関連学会週間, 神戸, 2018.11.1-4

国際学会発表

  1. Sakamoto Y, Kamiyama T, Yokoo H, Doi H, Shimada S, Einama T, Wakayama K, Orimo T, Kamachi H, Kanto T and Taketomi A:The impact of comorbid renal insufficiency in patients with hepatocellular carcinoma on long-term outcomes after the curative resection: A single center study on 800cases, AASLD The LIVER MEETING 2017, Washington, D. C., 2017.10.20-24
  2. Sakamoto Y, Kamiyama T, Yokoo H, Doi H, Taketomi A and Kanto T:The impact of comorbid renal insufficiency in patients with hepatocellular carcinoma on long-term outcomes after the curative resection: A single center study on 800cases, 18th Korea-Japan hepatitis meeting: Scientific Program, Incheon, 2018.2.24-25
  3. Sakamoto Y, Yoshio S, Kawai H, Shimagaki T, Doi H, Aoki Y, Osawa Y, Taketomi A and Kanto T:Soluble Siglec-7 as a diagnostic biomarker for hepatocellular carcinoma in patients with non-alcoholic fatty liver disease, AASLD The LIVER MEETING 2018, San Francisco, 2018.11.9-13

和文論文

  1. 坂本 譲、今 裕史、岩崎 沙理、梅本 浩平、小池 雅彦:緊急手術により救命しえたsegmental arterial mediolysis(SAM)による左胃動脈瘤破裂の1例. 日本外科系連合会誌42巻1号, 61-66, 2017
  2. 坂本 譲、蔵谷 大輔、植村 一仁、川村 秀樹、高橋 宏明: 術前診断し腹腔鏡下に切除しえた横行結腸神経鞘腫の1例. 日本外科系連合会誌42巻5号, 802-808, 2017
  3. 坂本 譲、砂原 正男、加藤 紘一、大野 陽介、植木 伸也、木村 純:胆嚢動脈瘤破裂に対して緊急動脈塞栓術後に待機的胆嚢摘出術を施行した1例. 日本外科系連合会誌43巻4号、726-733、2018
  4. 高橋 仁美、廣崎 邦紀、坂本 譲、伊藤 美夫、内田 亜紀子: 右鼠径部に生じた異所性子宮内膜症の1例. 皮膚科の臨床 59巻1号, 117-120, 2017

英文論文

  1. Yuzuru SAKAMOTO, Toshiya KAMIYAMA, Hideki YOKOO, Shingo SHIMADA, Takahiro EINAMA, Kenji WAKAYAMA, Tatsuya ORIMO, Hirofumi KAMACHI, Tomoaki NAKA, Tomoko MITSUHASHI, Akinobu TAKETOMI:Hepatocellular carcinoma producing granulocyte-colony stimulating factor: diagnosis and treatment. International Cancer Conference Journal (In press)
  2. Einama T, Kamachi H, Tsuruga Y, Sakata T, Shibuya K, Sakamoto Y, Shimada S, Wakayama K, Orimo T, Yokoo H, Kamiyama T, Katoh N, Uchinami Y, Mitsuhashi T, Taketomi A. Optimal resection area for superior mesenteric artery nerve plexuses after neoadjuvant chemoradiotherapy for locally advanced pancreatic carcinoma. Medicine (Baltimore) 2018; 97(31): e11309
  3. Yoshio S, Mano Y, Doi H, Shoji H, Shimagaki T, Sakamoto Y, Kawai H, Matsuda M, Mori T, Osawa Y, Korenaga M, Sugiyama M, Mizokami M, Mita E, Katayama K, Tanaka J, Kanto T. Cytoline and chemokine signatures associated with hepatitis B surface antigen loss in hepatitis B patients. JCI Insight 2018; 3(20): e122268
今泉健

今泉 健

現在の留学先国立がん研究センター東病院 大腸外科

留学生活紹介

一昨年度より、千葉県の柏市にある国立がん研究センター東病院の大腸外科レジデントとして研修をさせて頂いております今泉です。当施設の特徴は、年間200件をこえる直腸癌手術があり、内肛門括約筋切除術(ISR)や側方リンパ節郭清などの高難度手術が日常的に行われている所であります。また、最近ではTaTMEという経肛門的な内視鏡手術を取り入れており、直腸癌手術の進化を実感しております。腹腔鏡手術の教育にも非常に重きが置かれており、内視鏡外科学会技術認定医を目標に、同世代のレジデントと日々切磋琢磨して研修を行っております。ハイボリュームセンターならではの臨床研究にも携わることができ、国際学会で発表の機会も頂きました。充実した研修生活を過ごすことができております。
今年度で研修期間を終えますので、素晴らしい環境で少しでも多くのことを吸収し医局に還元できるものを学んでいきたいと思います。
最後になりましたが、研修の機会を与えてくださった武冨教授、消化器外科Iの先生方に感謝申し上げます。今後ともご指導・ご鞭撻のほど,何卒よろしくお願い申し上げます。

2017-18年の業績

学会発表

  1. 今泉 健、塚田 祐一郎、駒井 好信、佐々木 剛志、西澤 祐吏、酒井 康之、伊藤 雅昭:直腸癌術後排尿機能障害の発生頻度とリスク因子の同定 第27回骨盤外科機能温存研究会, 新宿, 2017
  2. 今泉 健、塚田 祐一郎、駒井 好信、佐々木 剛志、西澤 祐吏、酒井 康之、伊藤 雅昭:直腸癌術後排尿機能障害の発生頻度とリスク因子の同定 第72回消化器外科学会, 金沢, 2017
  3. Ken Imaizumi, Toshihiro Suzuki, Manami Shimomura, Yuichiro Tsukada, Takeshi Sasaki, Yuji Nishizawa, Motohiro Kojima, Masaaki Ito, Testuya Nakatsura: Immunological features of resected tumor after neoaduvant chemotherapy (NAC) and chemoradiotherapy (CRT) become the superior predition markers for recurrence in rectal cancer ESMO 2017 Congress, Madrid, Spain, 2017
  4. 今泉 健、鈴木 利宙、下村 真菜美、塚田 祐一郎、佐々木 剛志、西澤 祐吏、小嶋 基寛、伊藤 雅昭、中面 哲也:術前化学療法もしくは科学放射線療法後の直腸切除検体における腫瘍微小環境の評価は術後再発を予測する因子になりうる, 第37回分子腫瘍マーカー研究会, 横浜, 2017
  5. 今泉 健、塚田 祐一郎、駒井 好信、佐々木 剛志、西澤 祐吏、伊藤 雅昭:直腸癌術後排尿障害における早期治療介入を可能にするリスク因子の同定と排尿障害予測因子としての排尿効率の有用性 第118回日本外科学会, 東京, 2018
  6. Ken Imaizumi, Yuichiro Tsukada, Yoshinobu Komai, Takeshi Sasaki, Yuji Nishizawa, Masaaki Ito: Prediction of urinary retention after surgery for rectal cancer by using a novel scaling system in the 24-hour voiding status following Foley catheter removal ASCRS 2018 Congress, Nashville, US, 2018
  7. 今泉 健、塚田 祐一郎、池田 公治、西澤 祐吏、佐々木 剛志、伊藤 雅昭:直腸癌術後排尿機能障害の長期経過 第73回消化器外科学会, 鹿児島, 2018
  8. 今泉 健、佐々木 剛志、塚田 祐一郎、池田 公治、西澤 祐吏、伊藤 雅昭:前立腺治癒切除後に異時性に発症した直腸癌に対するTrans-anal total mesorectal excision併用直腸切除術 第31回日本内視鏡外科学会, 福岡, 2018

論文

  1. Ken Imaizumi, Yuji Nishizawa, Koji Ikeda, Yuichiro Tsukada, Takeshi Sasaki, Masaaki Ito: Extended pelvic resection for rectal and anal canal tumors is a significant risk factor for perineal wound infection: a retrospective cohort study. Surg Today, 2018 Jun 1. Doi: 10.1007/s00595-018-1680-5
近藤亨史

近藤 亨史

現在の留学先神奈川県立こども医療センター 外科

留学生活紹介

昨年度に引き続き神奈川県、横浜市にあります神奈川県立こども医療センターで研修させて頂いております。当院の外科は、年間900例前後の全身麻酔手術件数があり、日帰りの鼠径ヘルニア手術から生体肝移植に至るまで、あらゆる小児外科手術が行われております。また小児がん拠点病院として豊富な小児がん症例もあり、同門の北河先生のもとには全国から転移性肺腫瘍の患児が紹介されてきております。最近では、独自の取り組みとして腹腔内や胸腔内温熱化学療法にも力を入れており、治療を断念された播種性病変のある患児の局所治療の一手として、こちらも全国からご紹介頂いております。興味深い治療法であり、学会でも報告させて頂きました。
手術に関しては、昨年同様幅広く経験させて頂いております。また引き続き内視鏡外科学会技術認定医の小児外科領域の審査対象となっております腹腔鏡下噴門形成術にも取り組ませて頂いております。北海道にはまだ小児外科領域の技術認定医がいない状況ではありますが、取得を目指しながら、北海道の小児に質の高い手術を提供できるように努力していきたいと思います。
小児外科専従としての生活も2年目に入り、昨年度に比べれば動きにも慣れは出てきた頃ではありますが、当院のようなhigh volume centerに勤務していても未だに経験していない疾患や術式などが沢山あり、小児外科疾患の希少性やvariationの豊富さを、肌で実感しております。まだまだ小児外科医と名乗るのも憚られるような状況で、いつになれば胸を張って名乗ることができるのかわかりませんが、そんな一人一人異なる複雑な背景を持つ患児を試行錯誤しながら治療していくのもまた小児外科のやり甲斐なのではないかとも感じています。
神奈川での生活も今年度一杯となりましたが、このような非常に恵まれた環境で経験を積ませて頂いたことを、新開先生はじめこども医療センターの先生方、武冨先生はじめ消化器外科Ⅰの先生方に、この場を借りて心より感謝申し上げます。今後とも皆様ご指導・ご鞭撻の程、何卒よろしくお願い致します。

2017-18年の業績

学会発表

  1. 近藤享史、宮城久之、湊雅嗣、本多昌平、若山顕治、横尾英樹、井口晶裕、橘剛、神山俊哉、武冨紹信:右房内腫瘍塞栓にて心不全徴候を呈し緊急手術となった腎芽腫に対する外科的治療戦略の検討, 第54回日本小児外科学会学術集会, 仙台, 2017
  2. 近藤享史、望月響子、臼井秀仁、田中邦英、大澤絵都子、浅野史雄、北河徳彦、新開 真人:高位空腸穿孔術後の人工肛門管理に難渋した1例, 第115回東京小児外科研究会, 東京, 2017
  3. 近藤享史、北河徳彦、田中邦英、大澤絵都子、浅野史雄、臼井秀仁、望月響子、新開真人:多発小腸閉鎖, 結腸欠損を伴った鎖肛の1例, 第52回日本小児外科学会関東甲信越地方会, 茨城, 2017
  4. 近藤享史、望月響子、藤井俊輔、大澤絵都子、浅野史雄、臼井秀仁、北河徳彦、新開真人:当院における重症心身障がい児(者)に対する噴門形成術の検討, 第55回日本小児外科学会学術集会, 新潟, 2018
  5. 近藤享史、田中邦英、北河徳彦、大澤絵都子、浅野史雄、臼井秀仁、北河徳彦、望月響子、新開真人、太田教隆、麻生俊英、町田大輔、益田宗孝:心臓血管外科との小児がん合同手術, 横浜小児腫瘍ミーティング, 横浜, 2018
  6. 近藤享史、北河徳彦、藤井俊輔、大澤絵都子、浅野史雄、臼井秀仁、北河徳彦、望月響子、新開真人、浜之上聡、後藤裕明、田中美緒、田中祐吉:小児播種性固形腫瘍に対する温熱化学療法併用手術の検討, 第67回神奈川小児腫瘍研究会, 横浜, 2018
  7. 近藤享史、望月響子、藤井俊輔、大澤絵都子、浅野史雄、臼井秀仁、北河徳彦、新開真人:左気管閉鎖症、左肺葉外肺分画症、縦隔気管支原性嚢胞を1期的に胸腔鏡下切除した1例, 第53回日本小児外科学会関東甲信越地方会, 東京, 2018
  8. 近藤享史、北河徳彦、藤井俊輔、大澤絵都子、浅野史雄、臼井秀仁、北河徳彦、望月響子、新開真人、浜之上聡、後藤裕明、田中美緒、田中祐吉:小児播種性固形腫瘍に対する温熱化学療法併用手術7例の経験, 第60回日本小児血液がん学会, 京都, 2018

原著論文

  1. 近藤享史、望月響子、藤井俊輔、大澤絵都子、浅野史雄、臼井秀仁、北河徳彦、新開真人:超低出生体重児の消化管穿孔及び腸閉塞における中期的精神・身体発育, 小児外科51, 1, 2019
常俊雄介

常俊 雄介

現在の留学先堺市立総合医療センター救命救急センター救急外科 医長

留学生活紹介

平成15年卒の常俊雄介です。Acute Care Surgeonを目指し、2015年4月より堺市立総合医療センターに国内留学させていただき、はや4年近く経過しました。連日、外傷診療・急性腹症診療・ICU管理・その他の雑務に追われる日々ですが、夜中の緊急手術にも喜んで飛んでいっています。昨今流行りの「医師の働き方改革」とは無縁の、労働基準局も真っ青な日々を過ごしております。
私がこちらへ来たのは、北海道では系統だって修練できない外傷手術を勉強したいということでした。当救命救急センター稼働から豊富な外傷診療経験を積ませていただいております。外傷の手術数も400件に迫り、今年は年間100件を越えました。国内でも有数の外傷診療施設と自負しております。また、Acute Care Surgeryのもう1本の柱である、急性腹症・救急外科疾患についても積極的に腹腔鏡手術を導入し、院内消化器外科(大阪大学医局)とタイアップして診療にあたっています。
外傷手術は特殊?なイメージがあるかもしれません。確かに、外傷特有の戦略、すなわち「出血と時間との戦い」は大きな違いです。更に腹部だけにとどまらず、胸部含め体幹部外傷は全て我々Acute Care Surgeonの守備範囲です(もちろん頭部・四肢外傷も管理します!)。しかし手術のベースとなる、切開・剥離・止血・縫合は全く同じです。そして第一外科で専門臓器だけでなくいろんな臓器の手術を各病院の先輩方から教えていただいてきたことが私のバックボーンとなっています。その土台に外傷一例一例の症例・その経験をプラスしていって外傷外科医となっていくのだと考えています。
毎年、年報に「外傷分野に興味にある先生はぜひ連絡ください!」と書いていましたが、今年から大学の後期研修医の先生方が短期ではありますが、実習に来てくれることとなりました。短期間ゆえ症例の当たり外れはあるかと思いますが、貴重な経験を積んでいってくれることを期待します(JATECは皆さん、最低限受講してください。外傷診療の共通言語です。更に外科専門医とるための点数源として必須ですよ)。
平成15年卒の同期たちは皆、海外・移植・研究・内視鏡外科・乳腺と別々の分野で頑張っています。私もこの分野で尖がっていきたいと思います。
あと1年さらに学びを深め、より多くのものを北海道に持ち帰りたいと思います。今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。

2017-18年の業績

学会発表

  1. Complicated appendicitisに対するinterval appendectomy
    Author: 常俊雄介,山田元彦,犬飼公一,向井信貴,中田健(2018.12 第31回日本内視鏡外科学会総会)
  2. 鈍的胸部外傷による肺動脈損傷の1例
    Author:常俊 雄介、臼井 章浩、犬飼 公一、山田 元彦、向井 信貴、薬師寺 秀明、中村 純寿、中田 康城、横田 順一朗(2018.9 第10回日本Acute Care Surgery学会総会)
  3. ACS teamでOncologic emergencyに挑む−大腸癌穿孔におけるDamage Control Strategyを通して
    Author:常俊 雄介、臼井 章浩、山田 元彦、清水 克修、井上 稔也、中田 健、辻江 正樹、中田 康城、横田 順一朗、藤田 淳也(2018.7 第73回日本消化器外科学会総会)
  4. 外傷における鏡視下手術の役割 穿通性腹部外傷に対する試験腹腔鏡 Diagnostic laparoscopy with peritoneal lavage
    Author:常俊 雄介、臼井 章浩、清水 克修、山田 元彦、井上 稔也、中田 康城、横田 順一朗(2018.6 第32回日本外傷学会総会)
  5. To be an Acute Care Surgeon 指導者かつ修練途上の立場から(会議録)
    Author:常俊 雄介、臼井 章浩、山田 元彦、清水 克修、井上 稔也、中田 康城、横田 順一朗(2018.4 第114回日本外傷外科学会総会)

論文

  1. Lemierre症候群を合併した縦隔膿瘍に対して経皮経甲状腺ドレナージを施行した一例
    Author:薬師寺 秀明、井上 稔也、山田 元彦、川田 真大、蛯原 健、天野 浩司、常俊 雄介、臼井 章浩 Source: 日本集中治療医学会雑誌(1340-7988)25巻5号 Page397-398(2018.09)
  2. 大腸穿孔に対するdamage control surgeryの有効性についての検討
    Author:天野 浩司、臼井 章浩、蛯原 健、山田 元彦、清水 克修、川田 真大、常俊 雄介、加藤 文崇、中田 康城、横田 順一朗 Source: Japanese Journal of Acute Care Surgery 7巻2号 Page276-280(2017.12)