MEDICAL CARE診療紹介

移植グループ

移植グループの特色

移植グループは、先代の藤堂教授が臓器移植のメッカであるアメリカ・ピッツバーグ大学から赴任された1997年に新設されました。2020年3月まで生体肝移植268例、脳死肝移植58例、ドミノ肝移植2例、脳死膵腎移植6例、脳死腎移植後膵臓移植3例を行っており、北海道はもちろんのこと、日本全国から移植希望患者が集まっています。対象疾患は以下の通りです。

肝移植

成人

肝癌・B型肝硬変・C型肝硬変・アルコール性肝硬変・自己免疫性肝硬変・非B非C肝硬変(非アルコール性脂肪肝炎や原因不明の肝硬変を含む)・原発性胆汁性肝硬変・原発性硬化性胆管炎・劇症肝炎・ウイルソン病・α1アンチトリプシン欠損症・ヘモクロマトーシス・家族性アミロイド多発性神経症(FAP)・多発性肝(腎)嚢胞・肝門部胆管癌・類洞皮血管内皮細胞腫など。

小児

胆道閉鎖症・劇症肝炎・ウイルソン病・シュウ酸血症・オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症(OTCD)などの尿素サイクル異常症・糖原病・肝線維症・肝硬変・肝芽腫・肝癌・α1アンチトリプシン欠損症・ヘモクロマトーシスなど

膵移植(膵腎移植)

腎不全に陥った糖尿病患者(膵腎同時移植・腎移植後膵臓移植)

臨床的に腎臓移植の適応がありかつ内因性インスリン分泌が著しく低下しており、移植医療の十分な効能を得る上で膵腎両臓器の移植が望ましいもの。患者は既に腎臓移植を受けていても良いし、腎移植と同時に膵臓を行けるものでもよい。

血糖コントロール困難なインスリン依存性糖尿病(膵臓単独移植)

インスリン依存性患者で、糖尿病学会専門医によるインスリンを用いたあらゆる治療手段によっても血糖値が不安定であり、代謝コントロールが極めて困難な状態が長期にわたり持続しているもの。腎不全を合併していない場合、膵臓単独移植を考慮する。

臓器提供意思表示カード

主な病状と治療法

肝臓の機能が低下すると、食欲不振・易疲労感・黄疸等が出現します。さらに肝臓の障害が進行し肝臓が固く変化(肝硬変)すると、発癌の可能性が高まると同時に肝臓への血液が流れにくくなる(門脈圧亢進症)ために、お腹に水が溜まり(腹水)、吐血・下血(食道静脈瘤からの出血)を繰り返し、頭がもうろうとしたり、訳が分からないことを口走ったり、意識を失ったり(肝性脳症)を併発します。さらには脾臓が腫れる事(脾腫)により赤血球、白血球、血小板の減少を来し、貧血、易感染性、肝臓の血液凝固因子産生能の低下とも相まって出血傾向(血が止まりにくくなる状態)が出現します。このような状況になった場合、肝移植を行うことで悪くなった肝臓を新しい肝臓と入れ替える以外に救命の手段はありません。一方で、紹介が遅くなりすぎる等、患者様の状態によっては移植手術そのものが実施不可能となることがあります。

肝臓移植についての動画

移植後の生活についての動画

肝臓移植についてのパンフレット

患者の皆様へ

肝臓移植や膵臓移植に関して分からないこと、知りたいことがあれば、遠慮なくお問い合わせください。担当医・レシピエント移植コーディネーターが対応させていただきます。 また、肝移植に関する資料も準備しておりますので、ご参考にしてください。

連絡先:移植コーディネーター事務室
TEL/011-706-7750 (平日9:00~17:00)

生体肝移植

近親者の自発的好意により、肝臓の一部を移植。
生体肝移植では健康な人の肝臓を部分的に切除し、肝移植が必要な患者様に移植されます。生体肝移植の場合、家族に肝臓の提供者(ドナーといいます)がいないと成り立ちません。自発的な意志でドナーになるという人で、血液型と肝臓のサイズが合うことが最低条件となります。生体肝移植ではドナー側に残す肝臓も十分に働くように血管を処理する高度な技術を要します。しかし、ほぼ同時に手術が行われるため、肝臓が体から取り出されている時間が短くなり、肝臓自体のダメージが少ないことが利点の一つになります。さらに、脳死肝移植が常に臨時手術で行われるのに対し、生体肝移植は予定手術であるため手術前に十分な準備が可能なことも利点となります。他人からの肝臓よりも身内の肝臓の方が拒絶しないのではないかと思われがちですが、それはあまり関係ありません。

脳死肝移植

脳死全肝移植・脳死部分肝移植・脳死分割肝移植
脳死肝移植は、脳に重い損傷を受け「脳死」となった方からの善意の提供によって実施されます。脳は大きく分けて大脳と脳幹から成り立っていますが、両者(すべて)の機能が廃絶した状態(脳全体の機能が消失した状態)を脳死と呼んでいます。脳は一旦機能しなくなると元に戻ることはなく、人間の身体の基本的な機能(呼吸、心拍、血圧、体温の調節など)がなくなり、やがて心臓も止まってしまいます。日本では1997年に臓器移植法が定められたことにより、脳死になった方からの臓器提供が可能となりました。2010年7月に改正法が施行され、脳死下の臓器提供数が増加しています(年間50例)。しかし、常時400名程が脳死肝移植を希望して待機しており、現疾患や重症度にもよりますが脳死肝移植を受けるまでに2年以上の待機期間が必要となっています。

肝臓移植について
(急性肝不全)

肝臓移植について(急性肝不全)

肝臓移植について
(慢性肝不全)

肝臓移植について(慢性肝不全)

はじめに

はじめに

移植後の生活

移植後の生活

薬について

薬について

終わりに

終わりに