周術期マネジメント web seminarが開催されました。

2021年5月12日(水)にエーザイ株式会社主催の周術期マネジメントweb seminarがWeb形式で開催されました。

前半は北海道がんセンター副院長の高橋將人先生にご司会を賜り、旭川厚生病院副院長の赤羽弘充先生に「コロナ禍の外科-日本最大級のクラスターを経験して-」と題してご講演いただきました。実際にクラスターに対処された貴重なご経験を症例も交えお話しいただき、患者のトリアージ・手術の際の予防策について大変勉強になりました。また日本外科学会のコロナウイルス対策委員を務める当科の武冨紹信教授を中心に多くの質問が寄せられ、活発な情報交換の場となりました。コロナ罹患患者が増加している現状で外科医として危機感を覚えると共に、実際にクラスターを乗り越えられた赤羽先生のお話は励みにもなりました。

後半は当科の武冨紹信教授司会のもと、KKR札幌医療センター　緩和ケア科・精神科部長の田中輝明先生に「周術期における不眠とせん妄のマネジメント」と題してご講演いただきました。不眠が身体的に及ぼす影響・実際の不眠症治療薬の使い分け・周術期における睡眠薬のマネジメント・術後のせん妄の診断・KKR札幌医療センターで行なっているせん妄対策等についてわかりやすくお話しいただきました。周術期において止むを得ず睡眠薬を中止した際、離脱症状を起こさないための具体的な予防策を教示いただき大変勉強になりました。また術後せん妄と外科は切っても切れない関係であり、正しく診断することや、リスク因子を多職種と連携し把握することの重要性を感じました。講演後には数多くの質問が寄せられ、活発な情報交換の場となりました。

コロナ禍という情勢もあり、Web形式での開催とはなりましたが、たくさんの先生方にご参加いただき非常に有意義なセミナーとなりました。お忙しい中、講演を快諾下さった赤羽弘充先生・田中輝明先生をはじめ、ご参加下さった皆様に心より感謝申し上げます。

(文責：植林毅行)