教室開講100周年記念シンポジウム第2回が開催されました。
2022/02/14
お知らせ
2022年2月12日に北海道大学医学部消化器外科I教室開講100周年記念シンポジウムが、昨今の感染症発生状況のためweb上にて開催されました。
今回は第2回となり、2000年〜2009年卒の先生方を中心に「変化する社会状況における、強みを活かした持続的発展〜多様な技と知の共有・統合・昇華〜」というテーマで、前回に引き続いて活発な意見交換が行われました。
武冨教授の挨拶のもとに会が始まり、北海道医療センター 三野和宏先生に司会を務めていただき砂川市立病院 山田健司先生、JCHO札幌北辰病院 藤好 直先生から専門性の高まる現代の外科診療において、後輩への指導と自身の成長とのバランスを取る難しさを発表いただきました。多くの中堅の先生方も同じようなジレンマをかかえており、技の継承という点での課題が議論の中心となりました。
市立稚内病院 寺崎康展先生からは北海道という土地の特性上、地域医療の抱える問題点を中心に発表いただきました。一人の医師としてのやりがいは有るものの、医師個人の技量に依存している度合いが高く、その技量を上げる機会に恵まれていない点、また輸血のストックが少なく都市部からの距離がある場合、ハイリスク手術は物理的にも困難である等、北海道ならではの問題も多いことが露呈しました。
北大病院 市川伸樹先生からは主に症例のデータ統一、共有に関する提言をいただきました。一人の医師だけでは経験施設数を増やしても症例的には限界があり、データベース共有の重要さを痛感しました。
その後アンケートを基にディスカッションに移りましたが、各施設での差や問題点、解決に向けての具体的な取り組みを指摘して頂いていました。
手術手技と臨床データの共有に関する需要が非常に高く、HSHG等を参考に現実的な共有方法、乗り越えなければならない困難を札幌北楡病院 佐藤正法先生から提言いただきました。
当科の強み(関連病院の多さ、伝統)を活かし、当科全体で共有・統合し、次の100年に向けて昇華させる方法を立ち止まって考える非常に貴重な会となりました。
土曜日開催にも関わらず110名を超える先生方にご参加、多数ご意見いただき、我々若手にとっては道標となりました。第3回では、さらに先輩達からのご意見を伺えることを心待ちにしています。
(文責:原田 拓弥)