外科医からみた肝細胞癌治療セミナーがWeb形式で開催されました。
2022/05/26
セミナー
令和4年5月25日、「外科医からみた肝細胞癌治療セミナー」が中外製薬株式会社主催のWeb形式で開催されました。
前半は当科教授 武冨 紹信先生 司会のもと、神戸大学医学部付属病院 肝胆膵外科 助教 小松 昇平先生より、『薬物療法新時代における肝細胞癌集学的治療』と題してご講演頂きました。
進行肝細胞癌に対する肝切除成績について豊富なデータを用いて解説頂き、外科的治療意義はまだまだ高い一方で、一定の対象群においては薬物療法も積極的に導入される必要があるということも改めて分かりました。
薬物療法についてはアテゾリズマブ・ベバシズマブ併用療法を中心に、治療効果についての詳細やConversion surgeryの可能性について、症例提示も併せてご教授頂きました。
後半は神戸大学医学部付属病院 肝胆膵外科 教授 福本 巧先生司会のもと、当科 柿坂達彦先生より、『北海道大学における肝細胞癌の外科的治療戦略』と題してご講演頂きました。
当科での症例の内訳に始まり、ビデオを用いての手術手技の紹介や具体的な手術適応について詳細に解説頂きました。特にBorderline resectableとされるような症例における考え方や実際の手術における工夫、成績についても解説頂き、大変勉強になりました。また、集学的治療を行っていく上で、新たに導入されていく化学療法の位置付けを模索すると同時に、根治における手術の重要性も外科医として常に念頭に置く必要性があるというのが非常に印象的でした。
Web形式で行われた本フォーラムに、多くの先生方がご参加くださり、非常に有意義なフォーラムとなりました。また、新たな分子標的薬が次々と開発されている中で、肝細胞癌における外科治療の位置付けを改めて考える貴重な機会となりました。ご講演くださった小松 昇平先生、柿坂 達彦先生、またご参加くださった皆様に心より感謝申し上げます。
(文責:板倉 恒輝)