令和４年9月16日、第6回北海道札幌外科漢方セミナーがオンラインで開催されました。

　当科武冨紹信教授が座長のもと、一般演題では当科吉田雅先生より「癌サバイバーのwell beingと補中益気湯の可能性」と題しましてご講演をいただきました。

現代の社会構造と悪性疾患の治療の問題点から丁寧に解説していただき、その問題点に対して補中益気湯がどれほど有用かを享受していただきました。また、当科において現在進行中の前向き研究の概略をお話ししていただき、漢方薬の治療効果の可能性について大変興味深い内容でした。

　特別講演では、三重大学医学部附属病院、ゲノム医療部、奥川喜永教授より「がんと宿主の相互反応の観点から考える補中益気湯の可能性」と題しましてご講演いただきました。悪性腫瘍が体内でどのような生理反応をおこし、がんに伴う各種症状が出現するかを解説していただきました。補中益気湯には癌に伴う炎症反応を抑える効果があり、実臨床において大いに役立つことがわかりました。私自身、今後の臨床においてぜひとも使ってみようと思えるような実践的な講演でした。

　今回もWeb形式での開催ではありましたがお忙しいところ多くの先生方にご参加いただきました。ご多忙の中、ご講演くださった吉田雅先生、奥川喜永先生、またご参加くださった皆様に心より感謝申し上げます。

（文責：玉那覇　朝雄）