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令和4年9月30日、「Conversion Surgery Meeting in Sapporo 2022」がWeb形式で開催されました。

2022/10/04

セミナー

令和4年9月30日、「Conversion Surgery Meeting in Sapporo 2022」がエーザイ株式会社主催のWeb形式で開催されました。

旭川医科大学外科学講座 肝胆膵・移植外科学分野 準教授 横尾 英樹 先生 座長のもと、基調講演として当科講師 柿坂 達彦 先生より、『当科での肝細胞癌外科治療の現状 』と題しご講演頂きました。

現在Borderline resectableとされているVp3,4症例やVv3症例、4個以上の肝内多発症例に対して、Upfrontに切除を行ったご経験や治療成績について、手術動画や当科医師の論文によるエビデンスも交えながらご提示下さり、BR症例における外科的切除の有用性についてお示しいただきました。

またUnresectableとされている症例に関しても、化学療法を組み合わせることによりConversion surgeryを可能とし、R0を得ることができた症例についてもご提示下さり、これからの時代におけるHCC治療において、どのように化学療法と外科的切除を組み合わせていくかが重要であるかということをご教示くださりました。

特別講演では当科教授 武冨 紹信先生 座長のもと、九州大学大学院 消化器・総合外科 教授  吉住 朋晴 先生をお招きし、『肝細胞癌におけるこれからの集学的治療戦略 ~Lenvatinib-Conversion Surgeryの真価~ 』と題してご講演頂きました。

近年格段に複雑化してきた肝癌における治療アルゴリズムと、その中での外科的切除の位置付けについて、Intermediate stage HCCやOncological marginalといった慎重な切除適応の検討が必要な症例における切除成績のエビデンスも交えながら、非常に分かりやすくお示し下さりました。

また、LEN-Conversion切除について、九州大学を含めた本邦での症例報告のまとめや、吉住先生御自身が当番世話人として本年の九州肝臓外科研究会学術集会にて施行された肝切除に関するアンケート調査の結果についてもお示し下さりました。

講演の後半では、今後特に重要なポイントとなるConversionへ持ち込むタイミングについて知見をお示し下さり、続いて九州大学第二外科にて施行した豊富なLEN-Conversion症例をお示し下さりました。九州大学の症例検討では、LEN投与後はConversion surgery群において有意に非常に良好なOSを示していることをご提示下さり、外科医としてやはり適切なタイミングでの切除が治療において有用であるということを痛感しました。

また最後には、Downstage後の肝移植も治療選択肢として検討できるということを、自験例から移植後のLEN投与についてまで幅広くご教示下さりました。

Web形式で行われた本研究会に、多くの先生方がご参加くださり、非常に有意義な会となりました。また、日々更新される肝癌の治療アルゴリズムについて学び、外科医としての立ち位置を考える非常に貴重な機会となりました。ご講演くださった吉住 朋晴 先生、柿坂 達彦 先生、またご参加くださった皆様に心より感謝申し上げます。

(文責:中村 春菜)

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