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第11回北海道消化器癌・乳癌カンファレンスがWeb形式で開催されました。

2023/08/07

お知らせ

 令和5年8月4日、「第11回北海道消化器癌・乳癌カンファレンス」が大鵬薬品工業株式会社主催のWeb形式で開催されました。
 前半は北海道大学病院 乳腺外科 教授 高橋 将人先生座長のもと、がん研有明病院 乳腺センター 副医長 山下 奈真先生より、『POTENT試験:TS-1のつかいどころ、Beyond Borders:留学を活かしたキャリアパスの模索』と題してご講演頂きました。
 今回は代謝拮抗薬TS-1の特徴に始まり、HR+HER-早期乳癌に対する術後再発リスクの層別化に基づいた、周術期薬物療法の治療方針についてご解説いただきました。科学的根拠に基づいたEBMの実践の中には患者様の価値観や臨床現場の状況、環境を踏まえ個々の症例に合った治療選択が重要なのだと再確認しました。また、ご自身のボストン留学ついてもお話しいただきました。臨床につながる研究活動に加え、COVID-19流行下に乳癌患者向けの動画配信といった活動を精力的に行っていらっしゃいました。日本では得られないような刺激的な経験と、自分を見直すきっかけとして海外留学の魅力を感じました。
 後半は当科教授 武冨 紹信先生座長のもと、横浜市立大学医学部 消化器・腫瘍外科学講座 主任教授 遠藤 格先生より、『進行胆道癌に対する集学的治療 up to date』と題してご講演頂きました。
 ご自身の施設での治療成績を踏まえStageⅣの胆道癌に対する最新の治療方針についてご解説いただきました。切除不能胆道癌に対するConversion surgeryとして血行再建などの様々な手法の選択肢と症例の治療経過についてご提示いただき、大変興味深く拝聴いたしました。他の癌腫と比較し予後不良とされる胆道癌において更なる治療成績改善のためには集学的アプローチは必須で、内科と外科の観点から密な情報共有が重要であると感じました。
 Web形式で行われた本フォーラムに、多くの先生方がご参加くださり、時間が足りなくなるほど数多くの質問と議論が交わされ、非常に有意義なフォーラムとなりました。乳がん、胆道癌における治療選択について、現状を整理し今後の展望を見通す貴重な機会となりました。ご講演くださった山下 奈真 先生、遠藤 格 先生、またご参加くださった皆様に心より感謝申し上げます。

(文責:細川 侑香)

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