院長就任のご挨拶(天使病院 山本 浩史先生)

2024/10/30

お知らせ

2024年10月に天使病院の院長を拝命しました.北海道大学第一外科出身の当院の院長は,1999年から2003年に務められた手戸一郎先生以来になります.長い歴史とその重責に身の引き締まる思いです.
わたしは1980年に北海道大学に入学しました.学生時代は全学のハンドボール部で活動し,全道優勝とインカレ出場を経験しました.1986年に優秀でない成績で卒業しました(北大62期).
卒業後は北大小児科に入局し1988年に小児科医として日鋼記念病院に転勤しました.外科では西村昭男院長,安田隆義先生,辻寧重先生,勝木良雄先生が活躍されていて,その「力」,「考え方」,「かっこよさ」に魅了されてしまいました.
1989年11月,勝木先生に「第一外科に入りたいです」と相談したところ,西村院長に話が届き,「11月22日に内野教授に会うので医局に来るように」との指示をいただきました.けじめとして,第一外科に伺う前に小児科松本脩三教授に小児科退局の許可をいただきました.当時は「医局は辞められない,辞めると北海道内では働けなくなる」などの都市伝説がありましたが,松本教授は温かく許してくださいました.本当に感謝しています.指定された11月22日に医局に伺ったところ,教授室で西村院長が内野教授に「第一外科に入りたがっているからよろしく」とわたしを紹介してくださり入局が決まりました(ちなみに11月22日はわたしの誕生日です).あれから35年,現在わたしは,天使病院初期研修から第一外科へ入局してくれる若者を毎回教授室へ連れて行っています.以上が北大小児科に対する「辞めさせてくれた恩」と第一外科に対する「拾ってくれた恩」であり,これが小児外科を続けてきた原動力となっています.
1997年に藤堂省教授が着任されました.翌1998年に小児外科サブチーフとして第一外科で働くことになりました.それまで小児外科の経験はありませんでしたが,藤堂教授の「小児科をやって外科をやっているから小児外科をやったらいい」のひと言で決まりました.同時に「教育が好きそうだから学生と研修医の教育担当をよろしく」と言われ,学生と研修医の教育の道へ足を踏み入れました.今となってはわたしの仕事の柱となっています.
2002年に天使病院へ異動となり小児外科を開設しました.藤堂教授は「天使病院は産科と小児科が充実していてNICUもあるので小児外科をやったらいい.家も近いしちょうどいい」と仰いました.小児外科を開設して20年が過ぎ,年80件の手術件数が320件に増えました.小児外科医として大場豪先生(2005年卒)と湊雅嗣先生(2006年卒)といったすばらしい後輩たちにも恵まれました.今後も小児科と外科への恩返しをすることで世の中に貢献できればと考えています.
また,これからは院長という別の立場で世の中に貢献できるよう努力いたしますので,ご指導,ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします.

 

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