第12回北海道サージカルアカデミーが開催されました。
2025/11/10
お知らせ
令和7年10月24日、「第12回北海道サージカルアカデミー」が開催されました。
本会は、北海道大学病院 講師 市川伸樹先生がSession 1・2の座長を、武冨紹信教授が特別講演の座長を務め、外科手術の最新知見を共有する貴重な機会となりました。
Session 1では、北海道大学病院 今泉健先生より「当科における骨盤内局所再発に対する治療戦略のベストプラクティス」と題してご講演いただきました。
直腸癌の局所再発に対する拡大切除術について、R0切除を目指した当科の戦略を、複数の症例を提示しつつ手術ビデオを交えてご紹介いただきました。
ロボット手術における工夫や注意点、さらには切除断端やCRM(circumferential resection margin)に関する見解、そしてQOLを考慮した陽子線治療の可能性まで幅広くご解説いただき、実践的かつ将来を見据えた内容となりました。
続くSession 2では、旭川厚生病院 外科 部長の石川隆壽先生より「当院で教える直腸がん手術 ~内側アプローチとTME~」と題し、ビデオレクチャー形式でご講演いただきました。
ロボット支援下における低位前方切除術において、ポート配置の工夫や内側アプローチの具体的な手順を中心に解説いただきました。
剥離層の見極めや血管処理の手順など、臨床現場での具体的な知見に基づいた内容に富み、活発な意見交換が行われました。
特別講演では、静岡県立静岡がんセンター 大腸外科 部長の塩見明生先生より「ロボット手術の日常化を目指して」と題した講演を賜りました。
ROLARR trialやREAL trialといった最新のエビデンスをもとに、直腸癌手術におけるロボット手術の有用性についてご講演いただきました。
ロボット手術の導入初期における手術時間の長期化やラーニングカーブ、定型化の重要性といった運用面の課題、さらに指導医の育成や若手外科医への執刀機会の提供といった教育的配慮についても述べられ、臨床と教育の両面から大変参考になるご講演となりました。
本会を通じて、低侵襲外科手術の現状と今後の展望、さらに外科教育のあり方について、多くの学びと気づきを得られる貴重な機会となりました。
ご講演および座長を務めていただきました先生方、また協賛いただいたジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社様に心より御礼申し上げます。



